町の印刷屋さんで当時のおはなしを聞きながら、手フート印刷機を使っての活版体験に参加しました。印刷所の中に入ると昔の手動の印刷機や、柵には活字がきちんと並んで入っています。なんだか懐かしい空気の中に包まれて行くような気持になりました。
10月リラ自然音楽クラブの講座、賢治長へん輪読会で『銀河鉄道の夜』の 一、午后の授業 二、活版所 三、家 をみんなで読みました。読み終わった後、二、活版所 の場面でAさんが昔、印刷所で活字が沢山入っている棚を見た事など詳しく懐かしそうに話して下さいました。またBさんは「お母さんを想うやさしくて、本当に健気なジョバンニの姿を感じます」といったような事をおっしゃいました。
私はその時の、皆さんのお話しが浮かんできました。
私は名刺を作るために、柵の中の一番小さなひらがなの活字を、一つ拾うのにもたもたしながら文選箱に入れながら、あー、ジョバンニは私が手に持っている活字よりも、もっともっと小さな活字を、一つ一つ間違えないように沢山拾って、この文選箱に入れていたのだと思った時、大人たちの中で、仕事は本当に大変なのに、それよりも、パンと牛乳と角砂糖を買ってお母さんに飲ませてあげようというジョバンニの心に触れて、胸がいっぱいになってしまいました。
印刷所のご主人から頂いた資料の中に、『銀河鉄道の夜』の二、活版所が書かれていましたのでお伺いしたら「ジョバンニが壁の隅の所へしゃがんで、粟粒ぐらいの活字を拾っていたと書かれているので、私の想像ですがルビ(ふりがな)の活字を拾っていたのではないのかなー」とおっしゃって、(欧文活字大きさ実物)という資料を見せて下さり、そこに印刷されている字の小ささに驚いてしまいました。それは本当に粟粒ぐらいでこれを拾っていたのだと思うと言葉がでませんでした。
印刷所はご夫婦二人だけで活版印刷も続けられています。
廃業になったりして使われなくなった活字や、昔の活版印刷機械を譲り受けた物もあり、中には捨てられてしまった物もあって、忍びなく思うとご主人はおっしゃっていました。
これからも大切に使って、若い方達に受け継いで行けたらいいと思われています。
私はとてもいい体験をさせていただきました。
ヒームカ
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